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【原神】 夜蘭(イェラン) ストーリーまとめ

 

夜蘭 イェラン CV 遠藤綾
誕生日 4月20日
所属 岩上茶屋
使用武器
神の目
命ノ星座 幽客座
総務司所属を称する謎の人物。しかし、総務司の名簿上では「存在しない人」となっている。

 

 

 

キャラクター詳細

璃月総務司の仕事は透明性が高い。上は玉京台の高官から、下は八門の末端従業員まで、全員の基本情報が政務名簿に載っている。

しかし唯一の例外は、総務司所属を自称する夜蘭だ。ほとんどの同僚は、彼女の名前すら聞いたことがなく、名簿にもそのような人物は載っていない。

その点は、神出鬼没、変幻自在な夜蘭らしいと言えるだろう。

彼女は幽霊のように、様々な姿であらゆる事件の中心に現れ、嵐が止む前に姿を消してしまうことが多い。

時折、一方の勢力が彼女の支援を受け、いい気になったりするのだが、そんな時は必ずもう一方の勢力にも同様の支援がなされる。

彼女にしてやられた者は、みな怒りに駆られるが、それでも、彼女の意図や立場を見抜けた者は誰一人いない。

中には、こう考える者もいる——彼女は謎の勢力のスパイで、波乱を煽り立て、利益を得ることに長けているのだと。

さらには、彼女はどこの組織にも属さず、明確な目的も持たない、ただのいかれた無放者だと断定する者までいるほどだ。

たとえ所属する組織や目的があったとしても、彼女はただ水より濁らせ、火に油を注ぎ、すべての者を自身の創造した狂気の世界に引きずり込もうとしているのだろう。

こうした様々な憶測が飛び交う中、彼女に関することはやがてすべてが謎に包まれていった。真実を知るには、おそらく夜蘭本人に聞くしかないだろう。

ただ残念ながら、それすらも容易なことではない。なぜなら、彼女が誰かに会うと自ら決めるまでは、何人も彼女を永遠に見つけられないからだ。

 

キャラクターストーリー1

璃月港の薬屋には、時折珍しいケガ人が訪れる。

ある時はスメールの傭兵、ある時はフォンテーヌの冒険者、またある時は不注意で水に落ち、岩に頭をぶつけたと言うモンドの釣り人…

これらの人々は年齢も身分も異なり、それぞれ遠く離れた場所から来るが、みな——痛みを求める少しばかり変わった癖を持っているらしい。

彼らは、あざを押したときの痛みや、傷口に薬草を塗るときの痛みを好む。

中には、強い痛みを伴う治療においても、麻酔の有無を気にしない者までいる。

新人薬剤師の多くは、その負傷者たちの並外れた忍耐力に注意を引かれ、それらの者たちがみな同一人物であるということに気づかない。

そう、上述した人物はすべて、変装後の夜蘭なのである。優れた変装の技で、彼女は常に人目を忍ぶ。

体に出来た傷は当然ながら、相次ぐ危険な行動によるものだ。

珍しい仕事をしているが、夜蘭はこの世界にさほど興味がない。

もちろん常人のように食事も睡眠も取るが、彼女が心の底から興味を惹かれるような物事はほとんどないのだ。

立ち回りが上手いのは人をからかうためではないし、書物を広く読むのも、本が好きだからというわけではない。

様々な場所を渡り歩き、数々の国へ行ったことがあるが、遠出や旅そのものに興味はない。

夜蘭からすれば、成し遂げなければならない物事は、趣味とは言えないのだ。

そのせいか時折、どんな暇つぶしをするかさえもサイコロで決めることがある。

彼女はまるで、辛いものに舌が慣れ、普通の食事では舌鼓を打てなくなった辛党のようだ。

「平淡すなわち無頓着、激烈すなわち明晣」

そのような理念のもと、彼女はより厳しい生活を選び、身を潜めつつ各地を旅している。

危険、秘密、そして強烈な達成感…それらと行動を共にして、初めて彼女は自身の存在を深く実感できるのだ。

 

キャラクターストーリー2

すべての仮面を脱いだ裏にある夜蘭の正体は、天権凝光直属の特別情報官だ。

ただし、単に情報官と称するのは、些か正確さに欠けるかもしれない。なぜならこれはあくまでも彼女の仕事を描写するだけの言葉であり、彼女と天権の関係性までは表せないからだ。

夜蘭は自分が誰かの部下であるとは心底思っていない。彼女と凝光の協力関係は、上下関係と言うよりは交渉…あるいは、ある種の「契約」と言ったほうが正しいだろう。

夜蘭は凝光のために、危険の花に実る情報という果実をもたらすことができる。しかし彼女が彼女がその見返りに求めるものは、危険そのものと達成感だけだ。

この協力関係がいかにして結ばれたのか、知る者はいない。

唯一確かなことは、夜蘭の足跡がとっくに璃月の外にまで及んでいるということ。

テイワット大陸にある他の国から、さらには危険に満ちたアビスまで…謎深き危険な洞窟はすべて、満開の蘭の花園になり得る。

天星が語る場所には、常に幽客が巡遊しているのだ。

 

キャラクターストーリー3

夜蘭はしばしば層岩巨淵一帯を巡回し、最深部の暗部を凝視する。

彼女は古い家系の生まれで、祖先はかつてこの地の巨大な災厄に抗った。

その一戦では無数の民の血が流れ、さらには仙衆夜叉でさえ、その地に骨を埋めたほどだった。苦しい戦いの後、生存していた者はほとんどいない。

二人いた夜蘭の祖先も、一人は亡くなり、生き残ったもう一人も精神に異常をきたしてしまった。このことが、夜蘭の一族に影を落としたのだ。

当時何が起こったのか、夜蘭はずっと知りたがっていた。近づいてはならないと理性が告げていても、体はしきりに引き寄せられていく。

まるで体を流れる血の中で、得体の知れない何かが彼女を巨淵へ誘っているかのようだった。

あるいはいつか、彼女もその暗闇に堕ちるのだろうか? 当時祖先の身に纏わりついた災厄は、彼女の身にも降りかかるのだろうか。

おそらく、これが自分の奇怪な性格の原因だろうと夜蘭は思う。血筋に潜む未知なるものが、自分に恐怖を感じさせず、また危険を渇望するのだろう。

彼女はずっとそう考えていた…成年に達し、層岩巨淵の封印が解除されるあの日まで。

そのとき、多くの仲間の助けにより、祖先に何が起こったのかが目の前にはっきりと映し出された。

あれは、分水嶺とも言える瞬間だった——

以前の彼女は、ただ危険に引き寄せられる本能から暗闇に足を踏み入れる獣であった。

彼女が真にその本能の意味を知ったのは、その後だ。

彼女の血に潜み、絶えず彼女を呼び続け、憂慮をもたらしながらも、彼女を導いたもの。

その正体は、五百年もの長きに渡って叫び続けた英雄の血であったのだ。

恐れないのは、その勇気が彼女を強くするが故。危険を渇望するのは、英雄の血が平凡を望まないが故。

いつの日か、彼女は祖先と同じ道を歩むのだろう。

彼女は英雄の末裔であり、彼女もまた、後世の英雄となるのだから。

 

キャラクターストーリー4

総務司には、特別重視名簿というものがある。

掲載されている人物の数は多くないが、いずれも実力の侮れない強者だ——比類なき威容を誇る武装船隊の長、優秀で万能な異郷の旅人。

さらには、世を退いてもなお名声高き、仙人の名までが含まれている…

これらの者はみな、たとえその意図がなくとも、簡単に璃月の情勢を変えられる力を持っている。

そのため万が一に備えて、総務司は今でも彼らに目を光らせているのだ。

また、名簿とは別に、より機密レベルの高い秘密情報名簿というものも存在している。

その名簿に載っている人物こそ、正真正銘璃月に危険をもたらす可能性のある者たちだ。

一体、どのような名前が載っているのだろうか?

ファデュイの執行官? あるいは謎深きアビスの勢力?

あるいは、神の名さえも登録されているのだろうか?

七星以外でこの質問に答えられるのは、おそらく夜蘭だけだろう。なぜなら彼女こそが、この二つの名簿の編集をしている者だからだ。

この仕事の成果は彼女に愉悦感をもたらしてくれる。まるで鴉が毎日キラキラの宝物を巣に運ぶかのように、彼女は日々名簿の完成に向けて動く。

だが、この二つの収集癖には違いがある。鴉は翼をはためかせるだけで収集を達成できるが、夜蘭は収集のコストとして、血と汗を支払わねばならないのだ。

しかし幸い、このことにおいて彼女はまったくコストを気にしていない。どれだけの代価を払おうと、情報の価値とは比べ物にならないと考えているからだ。

いつの日か必ず、役に立つときが来る——璃月が五百年前のように、危険に対して無知なまま、災厄のさなかに堕とされることはもう決してないだろう。

彼女がいる限り、璃月が準備不足に陥ることはない。

 

キャラクターストーリー5

岩上茶屋で賽を振ってはならない。

どうしても遊びたいのなら、知り合いと一緒に行ったほうがいいだろう。

もしも見知らぬ女性から誘いを受けた場合は、絶対に無視するように。

これは、界隈の者からの忠告だ。

良い一日に別れを告げたいのでなければ、その恐ろしい女性と勝負してはならない。

その茶室の常勝将軍こそ、夜蘭のことである。岩上茶室の主——これが彼女のもう一つの身分だ。

彼女が異国から戻ってきたとき、ちょうど璃月は渦の魔神がもたらした危機のさなかにあった。そしてその一件が過ぎた後、岩上茶屋を占領していたファデュイがすべて追放されたのだ。

この機に乗じて夜蘭は岩上茶屋を引き継ぎ、そこを秘密の事務所に改造した。

理由は二つ。まず、茶室には様々な者が訪れ、格好の情報源となり得るから。

もう一つは、たまには一息ついて常連のふりをしながら茶を飲み、賽遊びをするのも悪くないと考えたからだ。

危険の本質は変数にある。

夜蘭からすれば、賽を振って遊ぶことも同じだ。宴席ではジャンケンでさえもが小さな冒険となり、賭け事をすればスリルを味わうことができる。どんな些細な挑戦にも、彼女は決して飽きることがない。

一人の情報屋として、彼女は自身の腕に自信を持っている。

相手の目から情報を読み取ることができるし、必要なときには軽く手首を振るだけで、ルール顔負けの目を好きに出せるのだ。

もしも勝負が引き分けになれば、それが意味することは一つ——相手がイカサマをしているということ。

道理を説くべきではない。岩上茶屋に道理などなく、あの女は尚更待ち合わせいないのだから。

故におとなしく、「敗北」か「イカサマ」か、一つ選ぶといい。

どちらも選びたくない? ならば初めに戻るだけだ。

——岩上茶屋で賽を振ってはならない。

 

幽奇なる腕輪と白き肩掛け

これまでの情報屋人生において、夜蘭には失敗と成功を兼ね備えた、記憶に残すべき特殊な経験がある。

失敗は、その任務において、「幽奇の腕輪」と呼ばれる先祖代々の腕輪を失くしてしまったこと。

腕輪には一族の術法が刻まれており、簡単な情報伝達に使うことができた。しかしこういった小型法器は二つを一組として使う必要があり、一つしか残っていない今ではただの飾りでしかない。

成功は、相手が彼女から何も得られなかったこと。その相手は、決して小者ではなかった。現ファデュイ執行官第九位——「富者」。

「富者」が密かに敷いた貿易ルートは夜蘭の侵入を受け、貿易は足止めされた。その上、最も貴重な品が腕輪の代償と称し夜蘭に奪われてしまった。

——古く、その毛皮から作られたコートに多大な価値を持つ魔獣がいた。しかしそれはかなり希少な品で、市場には存在しなかった。

魔獣の力は強大であり、数百年前に死を迎えたにも関わらず、未だ遺骨や残骸は腐ることなく、毛皮も香り立つようであった。

女皇へ贈るはずだったそれが、夜蘭に横取りされてしまったのだ。

それだけでなく、スネージナヤの人々が陛下のために心を込めて厳選した様式までもが、夜蘭によって否定されてしまった。

彼女は獣の皮を剥ぐと、璃月の苧麻と組み合わせ、新しく袖付きの肩掛けを自作した。

大きいとも小さいとも言える一連の事件は、二文字で表すことができる——得失。

何かを得て、失う。何かを失い、得る。

それはまるで、夜蘭の人生のようだ。

しかし彼女はそんなことは気にもせず、ただそれを楽しんでいた。

 

神の目

夜蘭は元より単独行動をしていたわけではない。かつては彼女のそばにも、水魚の交わりと称せるような同僚がいた。

様々な理由から、夜蘭と共に暗闇の中へ潜入することを選んだ者たちが少なからずいたのだ。

しかし当時の夜蘭は、まだはっきりと見極められていなかった——詭計、囮、罠…彼女の得意とするこれらのことだけでは、すべてに対応できないかもしれないことを。

自制心の強い敵は囮に食いつかず、狡猾な敵は策謀にはまらず、驚異的な力を持つ敵は罠に落ちない。

その結果、彼らは代価を支払うことになったのだ。この道を選んだ彼ら自身が、とっくに覚悟を決めていたとはいえ…一人、また一人と同僚たちは少しずつ数を減らしていった。

そして、あるアビスの調査任務が終わるのを境に、ついに夜蘭の傍らには誰もいなくなってしまった。そこで彼女は進むのをやめ、長い間足を止めた。

ある日、凝光が直々に彼女の仮住まいである小屋を訪ねた。

「長いこと璃月港に戻ってきていないわね。きっと何かあったのでしょう? ここでやめても、理解に苦しみはしないわ。」

小屋の外に立つ凝光は、表情こそ安らかではなかったが、それでもいつも通りの口調で話をした。

「別に構わないわよ、私は使う者を疑わない。あなたはきっと、ここで道を探っているのだと信じているわ。退路も進路も、どちらも道よ。」

小屋は依然として静寂に包まれ、返事はない。随分と時間が経った頃、凝光は背後からの声を聞いた——

「お互い、間違いを犯していたのよ。私たちがしていることに、常人を巻き込むべきではなかった。」

「常人?」

凝光が思い耽ったと同時に、青い光が空中を突き破り、凝光の後ろで止まった。

極めて繊細に制御された矢は、瞬く間に珠玉のような水滴となって砕け散り、地面に降り注ぐ前にきらきらと輝く光の破片になった。

凝光が振り返ると、遠くからこちらへ近づく夜蘭の姿があった。彼女は手に弓を持ち、指先からは血が滴り落ちていた。

射手の十指に見える血は、全力を尽くし、日夜研鑽を積んだ証拠。

凝光には分かっていた。夜蘭の性格からして、きっと常人を越える挫折をしたが故に、再び武術の修行に励む道を選んだのだということを。

凝光に応えるかのように、夜蘭は遠くの山へ向かって弓を構えた。

放たれた矢はまるで白虹のように、そして飛翔する雷光のように、空を貫いた。その瞬間、山間の泉がせわしくうねり、まるで見えない力に呼び出されたかのように、いくつもの水の矢となって上空に舞い上がった。

何本もの矢が交差しながら空中で凝集し、夏の夜に降る驟雨のように、一瞬で水の幕を下ろした。

やがて空が晴れたとき、そこには蝶も虹もなく、ただ一筋の淡い光の柱が夜蘭の手に降り注いでいた。

凝光によると、その「神の目」はまるで——「これからは、この常人ではない夜蘭にすべてを任せよ」と告げていたようだったという。