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【原神-書籍】テイワット観光ガイド【璃月編】

——璃月編——
テイワット地理雑誌特集号—アリスのモンド紀行

 

・荻花州(てきかしゅう)

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北を流れる碧水川が、一面の湿地と化している。高くそびえる石門をくぐり南へと向かう。目の前には、一面の荻草が広がっていた。最南端にあるのは、巨大な岩柱の上に建つ旅館だ。「望舒旅館」は荻花洲の一番高い場所にある。ここから南方を眺めれば、遥か遠くに帰離原と海に浮かぶ孤雲閣が見える。旅館の最上部に奇怪な若者がいる。彼が話している所を見た事がない。

旅館の食事は非常に豪勢だ。厨房の設備も充実しており、錬金術の実験にぴったりだ。

錬金術の実験と言えば、起爆物質に関していくつか新しいアイデアがある。計画通りに物事が進むのならば、ここで数日長く滞在した後、帰離原へ向かう。

 

・帰離原(きりはら)

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計画よりも数日早く、帰離原にやってきた。

古い書物によると、魔神戦争以前、帰離原はとても栄えていた市場だったようだ。

ここの狐や雀達の毛艶は素晴らしい。璃月人から岩神への捧げものは、こいつらに盗み食いされているようだ。焼いて食べたら、果実の味がするのだろうか。

大通りの関所の検査は厳しかったが兵士は友好的だった。私は現地で取れた材料で薬を調合し、ある兵士の吃音を直した。副作用も最小限に抑えてある。彼はスラスラと他人の言葉を復唱できるようになった。口調も完璧だ。

 

・絶雲の間

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聞いた話によると、絶雲の間のどこかの山頂に、仙人の隠れ家があるという。薬草を摘みに来た多くの璃月人が目撃した事があるらしい。私の経験上、怪しいきのこを大量に摂取すれば、似たような景色が見られるだろう。

ここは地形も非常に興味深い。そびえ立つ巨大な石柱は、地底の深部によく見られる形だ。この場所の地下には、大量の水源がある。もしそれらが全て海に流れ込んだら、絶雲の間は再び地底に沈むのだろうか?

同行者である鐘離さんは厳格な人だったが、私の考えを聞いて腹を抱えて笑っていた。全く可笑しな人だ。

 

・瑶光の浜(ようこうのはま)

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瑶光の浜では、よく霧が立つらしい。濃い時は伸ばした手の平すら見えないそうだ。だが惜しい事に、私は実際にその霧を見ることはできなかった。

砂浜には美しい貝殻が散乱している。魔神戦争時代から潰されているものは、いくつあるのだろう? 私はこの貝殻達でネックレスを作ったが、旅館で会った釣り野郎が上に座ったせいで、全部粉々になってしまった。しかも、貝殻の破片がやつに刺さり、治療費を払う羽目になったのだ。

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碧水川と海を繋ぐ河口の側には、大きなほら貝が佇んでいる。中には親切なお婆さんが住んでいた。彼女曰く、彼女の家族は昔、この法螺貝に乗ってここまで流れ着いたらしい。彼女は現在、岸部まで漂流した遭難者を助ける活動をしている。もしほら貝を操縦可能な船に改造すれば、もっと多くの遭難者を救えるだろう。

だが、三艘目のほら貝船がコントロールを失い爆発した後、海中から私を掬い上げたお婆さんは、その考えを断念した。

 

・弧雲閣(こうんかく)

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ここはかつて、岩神が海中の魔神を鎮圧した場所である。海底に突き刺さった巨岩の長槍は、海面から天に向かって高く突き出している。岩の元素によって作られた六角柱の構造が大変興味深い。空中から見下ろせば、ある種の幻想を人に抱かせてくれる。まるで、この石柱達は緻密な計算によって配置され、海上に奇妙な図形を描いているように見えた。もしかしたら、当時の岩神がほんの悪戯心で、わざと長槍を投下したのかもしれない。

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璃月港の鐘離さんは、ここの伝説に詳しいという。しかし、私は彼がここに来るのを見た事がない。ここからは、遠くにある望舒旅館が見える。この前会ったあの奇怪な若者は、きっと今もここを眺めているだろう。

ここは、地脈の流れも非常に面白い。璃月の他の場所と比べて、ここは活動が活発で、リズムも乱れている…まるで海底に隠された何かの力で、微動しているようだ。

もしかしたら、鎮圧された魔神が今でも深海で蠢いているのだろうか。

 

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