【原神】ベネット ストーリーまとめ
ベネット CV:逢坂良太 | |
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誕生日 | 2日29日 |
所属 | 冒険者協会 |
使用武器 | 片手剣 |
神の目 | 炎 |
命ノ星座 | 岐路座 |
モンドの冒険者少年、その優しさとそぐわない不運を持っている。 |
キャラクター詳細
「ベニー冒険団」は、冒険者協会モンド支部の一つの特例である。
「冒険者」というのはお互いを支え合い、リスクの発生率を下げるために作られたシステムで、通常3から4名のメンバーがいる。
しかし、ベネットが団長を務める「ベニー冒険団」は、長い間団長一人だけの状態を維持している。
団員減少の最大原因といえば、それは団長ベネットの「不運体質」である。
しかし、冒険に対して常に情熱あふれるベネットは、団員がいないことを寂しいと思っていない——
いや、心の片隅で、たまに1、2回くらいは思うことはあったかもしれない。
キャラクターストーリー1
冒険者ジャックは、かつての「ベニー冒険団」の最初の被害者である。
あの日、宝物まであと数歩という距離で、彼らの百年に一度発生するかどうかの岩元素乱流に巻き込まれ…一行と宝物は深い溝で隔たれた。
「近いのに遠い…恋みたいだ。」
ジャックはそのアクシデントでかすり傷しか受けてなかったが、このことはまるで失恋のように、彼の冒険人生に大きな打撃を与えた。
団員ロイスは、秘境探索中「よいしょっ」という声を聞いた直後、盛大に響き渡る音の中で意識を失った。
その後、犯人のクレーは7日間も反省室に閉じ込められた。爆弾を投げた理由は、冒険者たちが探索している秘境を大きいウサギの巣だと思ったから、らしい。
ヘッケラーは、「ベニー冒険団」に加入してから1週間も腹を下した。食中毒だと医者に言われたが、本人はかたくなに団長の不運体質のせいにしたという。
「あいつらはすぐに戻ってくるって…だから、ベニー冒険団の登録を削除しないでくれ…」
ベネットの頼みに対してキャサリンはため息をつき、団長たちはとうに辞めたという事実を告げないことにした。
キャラクターストーリー2
かつて、攻略不可能とされる秘境があった。
ある年寄りの冒険者がこの秘境へ足を踏み入れた。
烈火に皮膚を焼かれ、雷鳴に鼓膜を刺され、狂風に魂が引き裂かれそうだった。
この地獄のような旅の終点で彼を待っていたのは、なんと赤子だった。
自分こそがこの「絶境」に足を踏み入れた最初の生き物だと、冒険者は思っていた。だからこそ、目の前の光景を理解できなかった。
「この赤ん坊は…世界に見捨てられた子なのだろうな」
ふと彼の頭に浮かんだ考え、それが真実なのだと彼は信じた。
伝説の武器や数えきれない程の黄金は手に入れられなかったが、老人の頭に落胆の表情が浮かぶことはなかった。
彼にとって、目の前で必死に生きようとする赤子こそが「宝物」であったからだ。
「この冒険にはきっと意味があるのだろう」そう思いながら、老人は赤子を抱きしめた。
たとえそれが世界の意思に背くことだったとしても。
キャラクターストーリー3
老人はあの冒険を誰かに話す前に、「絶境」から救った子供を残して、この世を去った。
彼は亡くなる直前、「意志」「冒険」「終着点の宝物」という言葉を残した。
冒険者協会モンド支部には、まだ妻子のいないベテラン冒険者が数人いた。
彼らはその子供をベネットと呼び、我が子のように育てた。幼い頃から物分かりのいいベネットも、彼らを「オヤジ」と呼んでいる。
「オヤジ、入れ歯が茶碗に入ってたよ」
「オヤジ、なんでまだそれ着てるんだよ? オレが買ったシャツは?」
「雨の日はオレから離れたほうがいいぞ、オヤジ。雷が落ちてくるからな!」
今となっては、ベネットは冒険以外の時間を全て「オヤジたち」の世話に使っている。
「あいついい宝を拾ったな、ハハッ。」
モンド支部のサイリュスは笑いながら、ベネットの背中を叩いた。
自分は不運だけど、少なくとも愛する人たちに幸福をもたらすために頑張ろう——ベネットはそう思っている。
不運の冒険者ベネットは今日も「幸運」を象徴する宝物を探している。
キャラクターストーリー4
フィッシェルの眷属、鴉のオズはベネットのことを「世界で一番頑強な少年」を呼ぶ。
ベネットの体にある傷跡を見れば、彼が今までどれほどの不運を経験してきたかわかる。
怪物の襲撃、遺跡の崩壊、崖からの転落…どんな状況に遭遇しても、「不運経験」が十分にあるベネットはいつもすぐ対応策を思いつく。
大聖堂の祈祷牧師バーバラも、脱臼の応急処置に慣れているベネットには驚いたものだ。
不運がもたらしたもう一つの贈り物は「病的」な戦闘方法だった。
「あの子の動き…痛みを感じていないのか?」ベネットの戦い方を見た騎士団の大団長ファルカはそう思った。
痛みを感じないわけではないが、体はとうに痛みに慣れて、日常の一部となっている。
激しい痛みはベネットにとって、鼻にツンとくる匂いや眩しい光みたいなものだ。
だからこそ、人体の極限を超えた戦い方と何をも恐れない攻撃の動きは、冒険者ベネットのトレードマークになったのだ。
キャラクターストーリー5
死ぬって一体何なんだろう? いつも死の瀬戸際にいるベネットは、考えずにはいられなかった。
自分を「拾った」冒険者の「オヤジ」が死んだ後でも、その冒険伝説が語り継がれていることをベネットは知っている。
妻子のいない冒険者の葬式には涙がなく、旧友たちの乾杯する音だけが響くことをベネットは知っている。
モンドの冒険者にとって最高の終わり方は、宝物や大地の秘密を追い求めた道の先でその身を捧げ、風神の手で魂を故郷へ連れていってもらう事だとベネットは知っている。
かつての彼は死を恐れていた。
しかし何度も考えた後、冒険者にとって死はむしろ幸運なことかもしれないとベネットは思うようになった。
——まぁ、幸運はオレとは関係ないけどな。
「行こう! 宝物を探しに!」そしてベネットは、ネガティブな考えをやめた。
絆創膏
骨折や出血が多い怪我をした時、ベネットは大聖堂に行って、牧師のバーバラに治療してもらう。
「またオレだ…わりぃな」と言いながら頭を掻くベネット。
バーバラはただ首を横に振り、「擦り傷も手当してね」と、絆創膏を渡した。
このさりげない優しさは、ベネットにとってまるで宝物のようだった。彼は勲章をつけるように絆創膏を傷口につけ、バーバラに情熱的な感謝を述べた。
ベネットが冒険する時、いつもポケットにたくさんの絆創膏を入れている。オヤジさんたちの、バーバラさんの、キャサリンさんの…または怪我をした後に出会った冒険者たちからもらったもの。
小さい気遣いを求めて、ベネットだけの触れられる幸運に変わる。
「少なくともオレにはみんながいるから、不運も大したことないみたいだな」
神の目
ベネットの冒険への熱意を止められるものはない。
彼は「オヤジ」たちのように情熱的を持って探索し続け、挑戦し続け、冒険に人生の全てを捧げる。
だが、今回のベネットは本当の危機に直面した。
オヤジたちが若い頃にあったような絶体絶命の危機。
「この出血量は…ヤバいぞ」
でもベネットは足を止めなかった。「このまま帰るわけにはいかない」彼はこう思った。
何故か分からないが、ベネットは過去に経験した全ての不幸が、この瞬間を突破するための試練だと思えた。
だが、地獄のような旅の終点で待っていたのは——何もなかった。
「収穫なしも冒険…の一部だからさ、き、気にすんな…」
強張った緊張感が弛緩した途端に、傷だらけのベネットは倒れた。
目を覚ました時、なぜか傷口が不思議の炎に焼かれた気がした。出血が止まり、痛みも感じなかった。
一枚の温かい宝珠が彼の手のひらで、冒険者の心拍に合わせて脈打っていた。
それは世界の慈悲や運命の憐憫ではなく、彼の炎のような意志に相応しい「終点の宝物」だった。