♦第1巻
モンドの酒を愛す友よ、飲め、騒げ、自由に、風の神に乾杯を!
始まりの騎士ヴァネッサに乾杯を!
モンドの子らよ、風神の恩賜を忘れるな!
だが——恩賜とは自由ではなく、抗いである
物語は遥か昔から始まる
酒友たちよ、主題から逸れた演奏を許してくれ
だがこの場にいる皆は分かっているだろう、我々モンドの栄光と自由は
バルバトス様が弾いた曲から誕生したことを
詩篇は英雄の名を唱える
無名の自由はもっと祀られるべきなのだ
あの時のモンドは貴族の枷に縛られ、叫んでいた
祭典は貴族のための戯れとなり
平民にとって偽りのものであった
モンドは風の中を揺れる檻
貴族は恣意的に奴隷を酷使した
貴族たちは気づかなかった、己が欲望によって檻へと落ちることに
檻の中に一人の少女がいた
南の平原からやって来た彼女は
自由のもとに生まれたが、枷鎖に縛られてしまった
暴君が肉体を束縛したが
敬虔な少女は、信仰を諦めない
一族はモンドと、虚妄の自由のため祈り続けた
♦第2巻
モンドの酒を愛す友よ、飲め、騒げ
ついにバルバトスは、この熱き祈りに応えた
少女の赤い髪を追いかけ、風神は牢獄に降臨した
「万物に名前あり」いたずら好きの彼の者はそう言った、
「君の名で詩を作りたい、」
「報酬の代わりに、君と友情を結ぼう」
少女は快く応じた。心は解放の兆しに満ち溢れていた。
バルバトスの歌声に包まれて
少女は大地を蹂躙した魔龍を倒した
肥えた貴族は恐れ慄く
「モンドは自由だ」と、風が民衆のために歌った
木々の合間、孤独なそよ風が集まり、暴君の高い塔を吹き飛ばす
幼い獅子が風の中で頭を持ち上げ、枷を外した
少女は自分の名を勝ち取った
風神の演奏の脇役として、少女は感謝の気持ちで心が溢れた
しかし、彼女のお礼を風神は断った
「君の歌だから、君が主役だ」
「ボクは君の友情を受け取り、君の名を手に入れた」
「だから、これは君の自由を謳った歌なんだ」
酒を愛す友よ、もう一度乾杯!
これがモンドの自由の源、周りが暗く、絶望を感じた時でも、
偉大な英雄ヴァネッサの物語を忘れるな
自由の希望を諦めるな!
【ヴァネッサが登場する公式漫画】