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【原神】 八重神子(やえ みこ) ストーリー まとめ

八重神子 CV 佐倉綾音
誕生日 6月27日
所属 神大
使用武器 法器
神の目
命ノ星座 仙狐座
神大社の宮司様であり、「八重堂」の編集長。
華やかな見た目の裏には、思いもよらぬ知性と奸智が隠されている。

 

 

キャラクター詳細

神大社を司る大巫女であり、白辰の血筋を継ぐ者。

「永遠」の眷属であり、その友人…そして、娯楽小説出版社「八重堂」の恐るべき編集長でもある…八重神子の肩書きは、彼女の性情と同じように予測しがたいものだ。

様々な目的から、神子の「本性」を探ろうとする者がいる。その数は、天領奉行府から「八重堂」の入り口まで並ぶほど。しかし、過去に成功した者はほぼいない。

なぜなら、神子は意図的に何かを隠そうとしたことなど、一度もないからだ。

千の相と百の変化は、ただの気まぐれに過ぎず、お題のない謎かけなど端から成立しない。

だから、これだけ覚えておけばいい——彼女は、永遠に「英知と美貌を兼ね備えた八重神子様」であることを。

 

キャラクターストーリー1

その昔、八重堂の編集たちは、編集長様にとある原稿を推薦したことがある。

その作品は秀逸な文章で綴られており、構成も実に巧妙、題材も当時流行りの恋愛喜劇であった。

かようなダイヤの原石ならば、ほんの少し磨いてやり、凝ったイラストを添えてやれば…きっと飛ぶように売れるだろう! と考えたのである。

だが、その予想とは裏腹に、それを呼んだ八重神子は喜ぶどころか、深くため息をつき、各担当編集たちを呼び集めた。

担当編集は尻込みしながらこう言った——「八重様…そのような題材を書くよう勧めたのは私です…今もっとも流行っている題材だと思うのですが…」

編集の疑いの眼差しを受けつつ、神子は自らの意見を率直に言った——本来、斬新な観点を持っておった小説が、題材により縛られておる。一言で表すなら「自由度が低い」。

いわゆる売れ行きの良い題材や型を踏襲した作品…所詮十年ごとに変わる流行に過ぎぬ。

時代の好みに合わせるのは、確かに近道と言えよう。だが、元々時代に飲み込まれぬ素質を持つ作品ならば、その流れに乗る必要もないであろう?

「妾の代わりにその新人作家に伝えるのじゃ。題材や型にこだわる必要はない。今ある『物語』と真剣に向き合えばよい、とな。」

作品を投稿した作者は、何かを悟ったかのように筆を走らせ、考えをまとめるため引きこもった。その数ヶ月後、神子と担当編集のもとに、「斬新」で「新たな」原稿が届いた。

それを読んだ担当編集は唖然とし、これまであらゆるものを受け入れてきた八重神子も眉をひそめた——

「ふむ…どうしたものかのう…これは確かにあまりよくない。」

「そうですよ! 題材にこだわる必要はないと言っても、『雷電将軍に転生』なんてのはあまりにも度がすぎています!」

「題材? それなら問題はないじゃろう。ただ——こやつの筆名があまりにも平凡で、どう考えてもこの小説に釣り合わぬのじゃ。」

程なくして、この小説の作者は「堪解由子路健三郎」という、編集長から提案されたとても長い筆名で小説界に現れることになる。

後日、編集長のひらめきで、「八重宮司に転生したら」という題材で原稿の募集が始まったが、それはまた別のお話。

 

キャラクターストーリー2

宮司という身分でもっとも不便に感じる点は、神社の祭りが開催されるたびに正装で参加し、社殿に座さなければならないことだ。

煌めく花火が夜空に打ち上がる中、神社は人で溢れかえる。それなのに、自分は厳粛な微笑みを絶やさず、神社にずっと鎮座していなければならない…このような不幸は、油揚げがこの世から完全に消え去ることよりも恐ろしい。

雷神の眷属は寿命が長く、瞬く間に百年が過ぎる。長い年月において、退屈こそがもっとも抗いがたい敵なのだ。

もし、朽ちた木のように一日中座って過ごすのに慣れてしまえば、世の趣と機会を見つけるのが得意な者が、この世界から一人消えることになるだろう。

だから、たまには自分のために楽しむのも、極めて合理的で必要なこと。

たとえ宮司の権利を少し利用したとしても、それは致し方なきこと!

祭りの夜、社奉行から特別に送られた長野原特製花火を見ながら、八重宮司は満足げに頷いた。

その夜の式典はこれまでと同じように、洗練された礼儀作法と厳格な規則のもと執り行われた。

夜間の中、正座を維持する「宮司様」の見目麗しい姿に、多くの巫女たちが羨望の眼差しを向ける。

流れ星の如く美しい光の雨の中、静かに正座し、祭りに訪れる人々を眺める。

花火の音にかき消されながらも、りんご飴を噛むその口からぽつりと声が漏れた。

「妾が宮司の推薦を受けた時は、祭りを遠目に見ることしかできなくなるなど…聞かされておらんかったのじゃが。」

 

キャラクターストーリー3

趣味の追求と娯楽の探求、神子が日々を送る上での原則である。

人間を研究するのが好きな彼女にとって、「立場」と「美徳」は、「面白い」の遥か後方にある評価基準に過ぎない。

信仰の異なる大巫女であろうと、敵対陣営の大将であろうと、神子の興味を惹く対象となり得る。

…しかし、時にこの気持ちが、些細な問題を招くことがある。

神社でもっとも神子の興味を惹くのが、真面目な部下や情景の念を抱いている後輩などではなく、鹿野奈々という巫女だ。

神子と小説の趣味を共にする同志——鹿野奈々は、早柚の世話に日夜頭を抱えている。

屋内で横になった神子が時折窓をちらりと見ると、逃げる早柚の姿が見え、続いて怒りに満ちた慌ただしい足音が聞こえてくることがある。

その関係はまるで稲妻と雷雨のようで、神子を楽しませてくれるのだ。時には騒ぎをより長引かせるために、わざと間違った方向を伝えることもあった。

ある時、昼寝する時間を確保してくれた神子に早柚は礼を言い、午後の日差しが一番気持ちよく当たるところを教えてくれた。

それに触発されてか、とある晴れた日、神子は稲妻の一般的な女性に姿を変え、山を下りて一日を過ごした。

町にある「秋沙銭湯」、花見坂の「木南料亭」、通りにある「小倉屋」…どれも欠かさず、すべてを満喫した。

夕方になると、旅先で聞いた動物の失踪事件の依頼をするため、「万端珊瑚探偵所」へ向かった。

「シクシク、飼い主が大泣きして可哀想な思いをしておる。どうか探偵殿、何とかしてやってはくれぬか。」

それを伝えた後、彼女は再び町を歩いた。その顔には、いつしか笑みが浮かんでいた。

このような身分で稲妻の日常生活に関わるとは、実に愉快なこと。

通りかかった九条沙羅から、疑いの眼差しを向けられなければもっとよかっただろう。

ただ「秋沙銭湯」の店主には申し訳ないことをした。異国情緒あふれる温泉は実に良いものであったが、うっかり狐の毛を湯船に少し残してきてしまった。

 

キャラクターストーリー4

遥か昔、人間が妖怪たちの物語を話す時、まだ「昔々」という言葉をつける必要がなかった時代。

大空には天狗、荒野には鬼衆、小道には妖狸、俗世には仙狐がいた。

鳴神という大きな旗印のもと、妖の衆は想像を絶するような力をもってして焼畑農業に手を貸し、苦境の時代を生きる人間たちを助けた。

山に避難し、海辺に城を築いたのが稲妻の始まりである。

妖の中でも「白辰狐王一脈」はもっとも尊く、大妖怪を代々輩出することから、俗世でも無数の伝説を残していた。

稀に妖たちが集まって酒を吞み交わすことがあるが、その時には自分たちの新たな伝説を自慢げに話すのがお決まりとなっていた。

酒を飲みながら話す言葉は、どうしても事実と異なる部分が出てくる。だが、そんなことを気にする者などいない。ただ楽しく話を聞ければいいのだ。時を経て、いつしかそれは「百物語大会」となった。

当時、盃を高く掲げながら談笑し、妖たちの目を引き付けたのが有楽斎だ。

宴を催した狐斎宮も、笑みを浮かべずにはいられないほどのものであった。

まだ幼い狐の姿であった神子は、いつも狐斎宮の肩に乗り、有楽斎が話す物語の矛盾を指摘していた。

無論、有楽斎も頭の回る知恵者である、髭を触りながら話を修正した。

だが、それでも神子は新たな矛盾点を見つける。斎宮様が笑いながら、「皆、次のくだりが聞きたい頃よ」と止めるまで、そのやり取りは繰り返された。

酒が三度回ってくる頃には物語も数巡し、どの妖もまともに言葉を紡げなくなるほど酔っぱらっていた。

そうなると妖たちは語るのをやめて、妖力を用いて空へ駆け上がると、誰が一番上手く空と月を覆い隠せるか競い合うのだ。

それは——「無月の夜、百鬼夜行」と呼ばれた。

あれから五百年の時が経ち、当時の小狐も今や天地を揺るがすほどの大妖怪となった。

かつて共に酒を飲み交わした妖たちは、戦争と歴史の中に消え、生き残った血筋も日に日に薄れてゆく。

そうして「百鬼夜行」は、ついに「昔々」の伝説となったのだ。

 

キャラクターストーリー5

稲妻の刀剣は古来より世に知られており、「稲妻五箇伝」は国にとっても重要なものである。

だが、わずか数年のうちに五つの伝承はそのほとんどが失われた。

無数の有力者がその陰謀に巻き込まれ、関与した一族は皆、責任を負って追放された。

この一件により社奉行の神里家でさえ、部下の監督不行き届きで責任を問われることとなった。

だが、将軍が最終的な判断を下す前に、長いこと政事に関与してこなかった宮司様が突如将軍に進言した。これにより、嵐の中にいた神里家は救われたのである。

神里家は大きな被害を受けたものの、免職だけは避けることができた。

それから数年に渡り、巷では宮司のその行動について、様々な憶測が飛び交った——

ある説では、社奉行の鳴神大社と親密な関係にあり、此度の行動は自らに忠誠な代弁者を増やすためだと言われた。

——しかし、鳴神大社は元より一派を築いており、ましてや日常的に宮司が政事に関与することはない。社奉行を助けても見返りは少なく、賢明な選択とは言えないだろう。

また、ある説ではこう言われている。

宮司も当然不審に思ったが、巻き込まれた者があまりにも多かったのが原因ではないかと。社奉行にまで影響が及べば、稲妻の情勢が揺らいでしまうと考えたのだろう。

——ぱっと見、理にかなった憶測にようにも思えるが、よく考えればそうではないことが分かる。権力を持った一族の栄枯盛哀(えいこせいすいの世の常。たとえ神里家が力を失ったとしても、新たな主が社奉行に就く、ただそれだけのことだ。

その他にも、嵐が収まった後に神子が当時の神里家当主と密談していたという話がある。

——しかし、老齢で深い傷を負った神里家当主など、まさに風前の灯火、大局を左右するほどの力が、どこにあると言うのだろうか。

そうして、それら憶測が真相を暴くことはなかった。

だが、人々は知らない。当時、神子から送られた言伝が、さながら家訓の如く神里家に残されていることを。

「神里家が此度の件において生き残れたのは、将軍の寛大さゆえのこと。これから先、決して将軍の恩義を忘れるでない。」

この言葉は因縁の種となり、社奉行の未来を位置づけることとなった。

この先、稲妻に嵐が訪れたとしても、社奉行神里家は受けた恩義を忘れず、「将軍」の永遠へ至る道を守るだろう。

それは盤上において、宮司が打った悔いなき一手であった。

 

「鎮火の儀」

「鎮火の儀」はかつて、天領奉行が中心となって鳴神大社で行われていたものである。これから先の一年の加護と火難除けを祈願するための定例行事だ。

稲妻の家屋は多くが木造であるため、些細な火の不始末が不幸を招くことになる。

天領奉行は将軍の命により火消し隊を設立し、鳴神大社に「鎮火の儀」を執り行ってもらって、民家の憂いを取り除いた。

その数百年後、火の用心は次第と人々の心に根付き、大火は起こらなくなった。しかし、それでも年に一度行われる「鎮火の儀」は残り続けた。

巫女たちが舞を踊り、民衆がモラを納める…奉納されたモラは、天領奉行が四、神社が六の割合で分配された。

八重神子が「八重堂」の設立を考えていた頃のこと、資金不足に悩まされていたことがある。それを解決すべく、神社で行われている行事を見直した結果、古くから伝わる「鎮火の儀」に目を付けた。

「せっせと働いておるのは鳴神大社じゃというのに、なにゆえ天領奉行にも分け前をやる必要があるんじゃ? それに、集まった金銭もすべて九条のじじいの懐に入り、火消し隊は年末の特別給与すら出ないではないか。」

こうして、その年の「鎮火の儀」は巫女の舞ではなく、活気あふれる娯楽小説の募集大会に変更された。

その際、大会の運営や作品の出版を担ぐ「八重堂」も、「鎮火の儀」の経費で無事設立されている。

出版した本の収入は、当然ながらすべて神社の懐に入った。

「火災が頻繁に起こらなくなった今でも、奉納金は年々増えておる。此度の改変は民の財を無駄にするのを防ぎ、生活に支障をきたさないようにするためのものじゃ。 それに起源を遡れば、詩文や書画はもとより娯楽の一部——よもや汝ら、妾より祭礼に詳しいと言うつもりではあるまいな?」

突如訪ねてきた九条孝行を前に、八重神子はそう言い放った。

天領奉行様はやむを得ず部下と共に、暗い面持ちで影向山を下りたという。

しかし、彼らは知らない——自分たちが神社から出た瞬間、背後で真剣な顔をしていたはずの神子様が、注釈の途中まで入った原稿を奉納箱から取り出したことを。

 

神の目

「あれは天を揺るがすほどの戦いじゃった。敵は海を切り裂き、空を踏みにじり、天地の色をさえも変えてやって来たのじゃ! 宮司様は御幣を手にし、厳かな姿で影無山の頂上へと向かった。そばにいた巫女たちが秘呪を唱えると、瞬く間に雲が太陽を覆い隠し、雷鳴が轟いた!」

「……」

「戦いは長引き、たとえ宮司様であっても疲弊を隠しきれなかった。その敵を突き、敵は怒涛の一撃を繰り出す! その瞬間、天から一筋の雷光が流星の如く降り注ぎ、宮司様の目の前に落ちた。なんとそれは——光り輝く神の目だったのじゃ! 宮司様は迷うことなくそれを掴み取り、自らの神威を見せ…」

「ストップ、ストップ! それぜったい嘘だろ?」

「ん? なら他の話をしよう。あの日、妾は花見坂で何とも豪快な『ラーメンの大食い大会』をしておった…」

「ラーメンを食べただけで神の目が手に入るかよ!」

「なんじゃ、面白いと思わぬか? 汝らが聞きたいのは、こういった『物語』じゃろう?」

旅人の好奇心に対し、八重神子は謎めいた笑みを浮かべる。

「それに、たとえ『妾の神の目は箔を付けるための飾り』だと言っても——汝は信じぬじゃろう、童?」

 

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