ノエル CV:高尾奏音 | |
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誕生日 | 3月21日 |
所属 | 西風騎士団 |
使用武器 | 両手剣 |
神の目 | 岩 |
命ノ星座 | 守護座 |
「西風騎士団」の頼もしいメイド。いつか本当の騎士になることを夢見る。 |
キャラクター詳細
一般的な騎士団メイドに比べて、ノエルには大きな夢がある。
千年も西風騎士団に守られてきたこの都市で、この都市で、彼女は普通の少年少女と同じように、いつか栄誉を象徴する鎧を身にまとうことを夢見ていた。
たとえ自身の能力では、まだ厳しい騎士選抜に合格できないとしても、せめてもっと近い距離で騎士の精神を学びたかった。
訓練や勉強以外の時間を全て捧げ、助けを求める人々に寄り添う生活を彼女はとても気に入っている。
「お任せください! なんでも私にお任せください!」
これは彼女の口癖である。助けが必要な時は、彼女の名前を呼んでみるといい。きっと彼女は喜んで手を差し伸べてくれるはずだ。
キャラクターストーリー1
ノエルは人々から万能なメイドだと思われている。
彼らがノエルに対するコメントにはある共通点がある。それは「どこにでも現れる」ということだ。
たとえば、とあるパーティーで子供が皿を取ろうとした時のこと。だが、皿は無造作に積まれた状態で食器棚に仕舞ってあったため、子供が棚を開けた瞬間、一気に崩れ落ちてきた、そんな危機的状況…
「ノーエールー!」
子供がそう叫ぶと、ノエルはすぐに表れた。彼女は流れるように食器棚を床に倒し、中から皿を取り出し子供の手渡す。ついでに、炙り焼き肉を食べた後、すぐに冷たいドリンクを飲むと胃腸が痛みますよと言い聞かせ、その後棚を元に戻し、残った皿を綺麗に仕舞った。
そんなどこにでも現れるノエルは、人々にとってとても不思議な存在である。
だがメイドの仕事は神話でも伝説でもなく、ノエルはただ彼女のポリシーを守っているだけである。
「多くもなく、少なくもなく、あるべきものは全てあって、ないものはあってはいけない。」
自分が特別だなんてノエルは思わない。人より少し多く考えているだけだ。
キャラクターストーリー2
ノエルは頼もしいが、その手伝いはたまに度が過ぎることもある。
たとえば、通りかかった彼女にバーベキューの火の起こし方を聞くと、彼女はためらいもせずその場で火を起こし、焼網の設置や食材の処理を済ませ、肉を焼き、試食、きちんと焼いてくださいねと注意をし、最後に火の消し方を教えてからその場を去る。
こういう手助けには誰も悪い気はしないが、例外もある。
かつて、モンドで酒の商売をしようと、スネージナヤから来た商人がいた。
まずはモンドの地に根を下ろしたように見せかけ、徐々に故郷の酒を輸入した市場を占有し、モンドの酒造業に大打撃を与える…というのが彼の計画だった。
彼は妻子を連れて、モンドでビジネスを始めようとする普通の商人を装った。そして、彼らは遠くから来た客人として、ノエルのおもてなしを受けることになる。
隅々まで行き届いたノエルのおもてなしに、モンドの田舎者とは大違いだと最初は喜んだ商人も、日が経つにつれ違和感を覚えるようになった。
ノエルがいつも商人の行動を予測し、一足先に用意を済ませているからだ。毎日食卓に出されるスネージナヤの料理は、いつも家族の好物で、娘の寝る時にぬいるぐみがないと眠れない癖も見抜かれ、手作りのぬいぐるみをプレゼントされた。
そこまでプライベートを把握されては、商人も何時どうやって計画を進めればいいのか分からない。ノエルのニコニコした顔を見る度に寒気がして、何もかも見透かされたような気分になった。
結局、耐えきれなくなった商人は妻子を連れてモンドを去り、その後二度と顔を見せることは無かった。
ノエルはというと、自分のおもてなしが行き届いていなかったせいだと、数日落ち込んだ。彼女はいつだって仕事に真面目なのだ。
キャラクターストーリー3
ノエルは安心できる存在ではあるが、たまに例外もある。
たとえばある日、冒険者がドラゴンスパインで遭遇したと聞いた彼女は、すぐに荷物を整え、一人で山へ向かった。
その日の吹雪は、安全に進める道を見つけるのも困難なほど激しかった。
しかしノエルは怯まなかった。彼女は半日かけて、遂に洞窟の中で凍死寸前の冒険者を見つけ出した。
その時点で彼女の服は雪のせいで濡れそぼり、水筒の水も氷になっていたが、それでも彼女は飢えと寒さに耐えながら力を絞り出し、冒険者を背負って山を下りた。
冒険者は無事に助かったが、ノエルは倒れ三日も高熱にうなされた。幸い、その後すっかり回復し大事には至らなかった。
しかし、こういった出来事は一度や二度ではないため、騎士団の先輩たちはとにかくノエルが心配なのだ。
熱心なノエルがまた危険に巻き込まれに行かないよう、ジンはできるだけ彼女が安全にこなせる仕事を「作る」しかなかった——万が一危険に巻き込まれた時は、ガイアの出番だ。
モンドで龍災が発生した時も、ノエルは災害の源をなんとかしようとうずうずしていたのだが、ガイアの入念な手配の下、危機が解決される日まで彼女はたくさんの「緊急任務」に駆り出され、多忙な日々を送ることとなった。
キャラクターストーリー4
ノエルの華奢な体には、とても強い力が秘められている。それは、彼女は揺るぎない意志だけを指しているのではない。彼女は本当に力持ちなのである。
ある時、実験器具をうっかり本棚の下に落としてしまったリサが、レディとして床に這いつくばって拾うのはいかがなものかと悩んでいたところ、たまたま通ったノエルが颯爽と本棚を持ち上げて、下にあった器具をリサに渡した。その際、中の本は一冊たりとも崩れたり落ちたりしなかったそうだ。
またある時、荷物を乗せた馬車がモンド側門で炎スライムの襲撃を受け、積み荷が炎に包まれた。偶然そこへ通りかかったノエルは、瞬時に馬車ごと積み荷をシールド湖に放り投げ入れたかと思うと、すぐに湖の中に飛び込み、荷物を無事すべて回収したらしい。
そんなノエルは昔、鍛冶屋のワーグナーを、引退を考えさせるほど落ち込ませたことがある。
ワーグナーが十数種もの配合を試して作りあげた自慢の長剣を、ノエルは2、3度使っただけで鉄塊へと変えてしまったからだ。
始め、ワーグナーはノエルの使い方が間違っているのだと思ったが、彼女の戦いをよく観察した結果、単なる強度不足だと気付いた。ワーグナーは職人の名誉にかけてノエルに重くしっかりした大剣を作り、さらにノエル自身の持つ岩元素の力で補強をかけ、そうしてやっと彼女の武器問題を解決した。
強い力を持っているとはいえ、ノエルは必要でない時にその力を披露することはない。彼女自身が暴力的なことを嫌うからだ。
ただ噂によると、ノエルはオーダーメイドの大剣を手に入れた日、酔漢峡で酔っぱらった宝盗団メンバーたちにいいカモだと思われ襲われたらしい…それが本当ならば、彼らがノエルの前に現れることは二度とないだろう。
キャラクターストーリー5
ノエルの最大の敵の一つ、それはバドルドー祭である。
バドルドー祭開催中、大聖堂広場にはたくさんの長いテーブルが並べられ、その上には様々な料理な料理が所狭しと置かれる。
本来、テーブルにある料理は、腕に自信のある市民たちが自発的に提供するものだが、自分に厳しいノエルもその期間中に調理、配膳を担当している。
平時と比べ仕事量がそこまで多くなるわけではないが、メイドとしてノエルは並べられる料理の試食をしなければいけない。
香ばしく焼きあがった「ムーンパイ」、サクサクの「モンド風トンカツ」、チーズと肉でできた「お肉ツミツミ」、それから揚げ物やバーベキュー…みんな祭りの定番料理。
美味しそうに酒を飲み祭りを楽しむ人々を見ているだけでノエルも楽しくなるが、少しふくよかになった自分のお腹に目を落とすと思わずため息が漏れる。
だから、バドルドー祭が終わった後の1か月間、運動量を増やすために、ノエルはいつも西風騎士の夜の見回りに参加するようにしている。
祭りが終わっても、彼女の戦いは終わらないのだ。
「バラの警告」
騎士団のメイドには超えてはいけない一線がある。そのうちの一つは「騎士団メンバーの個人情報は、厳密に保管しなければならない」こと。
これは部外者に対してのみでなく、騎士団メンバーに対しても同じだ。
例えば、ジンの個人部屋に何があるとか、アンバーのウサギ伯爵には何か仕込まれているのかとか、ガイアの特殊眼帯は一体何本あるかとか、クレーが爆弾を隠した場所は一体何箇所あるかとか……これら全てがトップシークレットだ。
うっかり口を滑らさないように、ノエルは赤い布でたくさんのバラの造花を作った——モンドでバラは「口の堅さ」を象徴するものだ。
さらに彼女は自分への警告として、一枚を自分の手甲につけている。
秘密漏洩はメイドにとって重大なミスで、騎士を目指す人間が犯してはならないことだ。
そのため、誰かの秘密を知りたいなら、ノエル以外の人に聞いた方がいい。
彼女からは何も聞き出せないからだ。
神の目
かつてはノエルも、早く夢を実現したいと思っていた。数年前、事前に落選すると分かっていた七度目の選抜が終わった後、ノエルは意気消沈した。
苦労して学んだ礼儀、剣術、言葉遣い…全部水の泡になるのだろうか? 彼女は正規騎士一人一人の優れたところを全て覚えているが、失敗者の彼女の努力は誰も覚えていない。
彼女は騎士になることへの憧憬を一度も諦めなかったが、ただ、今回は疲れ果て、いつものように立ち上がることができなかった。これはかなり危険なサインだ。極寒の氷原で、昼夜を問わず何日も休むことなく行動した後のような眠気が襲ってきた。
ちょうどその時、騎士の選抜を担当する代理団長ジンが出てきた。
ノエルがどんな顔をしていいかを考えているうちに、体は反射的に騎士の敬礼をした。
次の瞬間、彼女は自分がとんでもない行為をしてしまったことに気づいた。
落選した者が敬礼をしたら、ジンにどう思われるかを想像するだけで不安になった。
ノエルが恥ずかしさのあまりにその場から逃げ出そうとした時、ジンは足を止め、ノエルに同じ敬礼を返した。
ノエルはびっくりし、そして笑みを浮かべた。間抜け顔ではあったが、その笑顔は純粋だった。
その日はノエルが忘れられない幸運な日だった。彼女は2つのものから認められたのだ。一つはジン。もう一つは神。
やはり努力は、必ず誰かに認められるのだ。
その日から、「神の目」を持つようになった彼女は、いつか自分にも騎士の兜を身に纏う日が来ると信じている。彼女はより優しく頼れる人になり、「どこにでも現れる」存在となった。