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【SAOAL(ネタバレあり)】ソードアート・オンライン アリシゼーションリコリス【ゲームレビュー 評価】

この記事は「ソードアート・オンライン アリシゼーションリコリス」のレビュー・評価です。ネタバレありなので、注意してください。

 

 人気小説「ソードアート・オンライン」の「アリシゼーション編」をもとに、オリジナルストーリーが描かれる「アリシゼーションリコリス

 前半はキリトとユージオが出会いからアドミニストレータとの戦いまで描かれ、後半はキリトとメディナが中心となるリコリスルートが描かれる。

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タイトル ソードアート・オンライン
アリシゼーションリコリス
ジャンル RPG
プラットフォーム PlayStation4
Xbox One
STEAM
発売予定日 2020年7月9日
価格 通常版:7,600円
デラックスエディション:11,800円
初回限定生産版:10,980円
開発元 アクリア
販売元 バンダイナムコエンターテインメント
公式サイト https://al.sao-game.jp/

 

 

 

本作SAOALの評価↓

 

ストーリーについて

・アリシゼーションリコリスのシナリオは、アニメと同様にユージオとの旅が描かれていません。リアルワールド(現実)での話もカットされている(それでも長い)。

・原作部分とオリジナルシナリオが交互に切り替えながら進むため、原作の部分にメディナが関わることはありません。

 

発売前からネタバレ

ユージオ生存は発売前から公式よりネタバレ、発売直後はチュートリアルでネタバレをしてしまったために、物語前半のアドミニストレータ戦で特に何も感じなかったのが、残念ですね。

 

貴族

とにかく、鬱陶しい存在です。事あるごとにオルティナノスが~オルティナノスが、と騒ぎ立て煽ってきます。原作部分でも、ライオスとウンベールの件があるので修剣学院のシナリオは特に苦痛。そして長い。

 

ユージオ生存

ユージオ生存ルート。アインクラッドでサチを守れなかったキリトが、ここでユージオを守り、共に戦う展開が良かった。

 

メディナの扱いの悪さ

本作のオリジナルヒロイン「メディナオルティナノス」

オルティナノス家の汚名を雪ぐために、と奮闘するのですが、発売前・作中でも「オルティナノス」と強調して使われていますが(悪い意味で)、本編にオルティナノス家という場所に行くことはできません。メディナというキャラクターは不器用で一度決めた事を何としてもやり遂げようとするため、意志が固く妥協もできないので、色んな所で損をしてしまうキャラです。そのメディナが、頑なにオルティナノス家のためにと行動しており、メディナが大切にしている・守りたいもの・話の根幹であるオルティナノス家が何故かマップに無く、ほとんどが回想という形で済ましている。

回想シーンは、亡くなった父親とメディナの話です。この「親子」という関係もメディナを掘り下げる話の一つなのですが、本作にそれを思わせる(連想させる)イベントが無く、無関係な冒険者の話が目立ちます。

猫。メディナは猫を溺愛しており、普段の気の強い姿とは打って変わり、温情のある年相応な少女として描かれる。メインストーリーの中盤で登場する「猫男爵」のイベント。オルティナノス家で一悶着はありますが、このイベントに関して特に不満はありません。人と対話できる時点でこの「SAOAL」で数少ない良心的なイベントに見える。

 

主人公という立ち位置、よく分からないキリト。このアンダーワールドには「禁忌目録」という法が存在し、当然のことながら「殺人」も許されません。物語前半のアドミニストレータ戦では、原作とは異なり、キリトがアドミニストレータに止めを刺したはずですが、その件に関して特にお咎めを受ける、などがありません(隠蔽はする)。

アドミニストレータを倒した事で「権限」が上がったのか、外部から来ているから禁忌目録の影響が無いのか、禁忌目録が機能しなくなったのか、ご都合主義()全開なのかは分かりませんが。この一件でメディナはキリトに不信感を抱きます。

アドミニストレータも擁護できないほどの悪役ではありますが、物語の主人公は本来、この手(禁忌目録などの様々なルール)に振り回されるものですが、キリトには特に何もありません。

恋愛要素、最終的にメディナはキリトに好意を抱きますが、残念ながらそれは叶うことはありません。キリトにはアスナがおり、他の原作キャラでさえ、キリトを巡っての修羅場などが皆無。残念ながらこのように進展の無い話は無駄な要素です。

アリスとの衝突。キリトの次に近しい存在であるアリス。物語の中盤で冒険者絡みで衝突するのですが、残念ながらメディナとアリスの絡みは少ないです。残りはキリトが持っていきます。メディナを友人だと言ってくれたアリスですが、二人のイベントが少ない。

オリジナルヒロイン。SAOゲームオリジナルヒロインの扱いは年々悪化しています。物語が原作寄りのせいか、出番が無い。ただでさえゲーム内でしか活躍の場がないのに、もうオリジナルキャラだけでストーリーが作れそうに思えますが、公式はどうするつもりなのか。

 

マルチエンディング

本作はクリア後に「データを引き継いで状態で新しく始める」などの周回要素が無いのにマルチエンディングにしている。しかも当初は片方のEDが見れない状態でした。現在はアップデートでもう一つのEDが見れます。

 

選択肢

本作は無駄な選択肢が多数存在します。わざわざ選択肢を用意しなくとも話が繋がっているのに、多様する。

 

アンダーワールド人を剣に

原作のユージオ(夜空の剣と二刀流)とリコリスでのメディナ(片手剣)が自身を犠牲にし、剣となりキリトに力を与える展開ですが、これはそんなに重要な事なのか疑問に感じます。死亡して剣になるくらいなら、自身で決着を付けた方がまだ自然な気がします。

 

アドミニストレータ

もう和解して仲間になれば良かったんじゃないかな(適当)。良くも悪くも一部のキャラクター達より存在感はあった。

 

整合騎士

残念ながら掘り下げが無かった。どういう経緯で今に至ったのか、過去話でもあれば良かったのだが…

 

古の使徒

キリトと他一名で、神器に関する専用ストーリー。クリア報酬で各女性キャラに専用衣装と武器が手に入る。問題点はそこまで強くはない。今後この「神器」が活躍する展開はあるのか?

 

有料DLC「Myosotis(ミュオソティス)」

アドミニストレータとのユージオを失う夢を見たキリト。本作のユージオ生存を否定される展開が多い。ユージオ生存がそんなに困ることなのか?

第一章、氷王ヘィレシグ。アドミニストレータに恋をしていた話。唐突に恋。ヘィレシグに感情移入するキリト。

ヘィレシグが暴れ回ったせいで町は壊滅状態、民から悪の巨人と罵る声にキリトは悲しむ。アドミニストレータとの出逢いが『人生の中で』最も大切なもの、だと何故言い切れるのか。

 

話の長さとテンポの悪さ

アリシゼーション・リコリス(原作含め)は話が長く、話が動き出すまで時間が掛かります。

一つ一つのシーンが長く、イラスト(立ち絵)を使用した会話や3Dキャラによる会話シーンのいずれも変化が乏しく(基本棒立ち)、演出も少ない(言葉のみだと理解ができない場合があるので、一枚絵を差し込むなど)。

ゲーム版はロード時間が長く、戦闘や移動もあるのでさらに長く感じます。

戦闘では、連戦・イベント戦が目立ち、原作アニメであったシーンを再現するために、戦闘を強制的に中断させ、長いやり取りを見た後、再び戦闘をやり直す羽目に。そして頻繁にロードを挟む、最悪ゲームが落ちる。

 

オリジナル要素

冒険者
冒険者は、メディナが彼らに触れることでメディナの言うことを聞く忠実な臣下(隷属)になってしまうという展開ですが、キャラ付けがされてない冒険者を出しても、印象には残りません。冒険者を出すくらいならメディナ自身が民を守るために戦う、という方がいい。それ以前に「登場人物が多い作品」にさらに追加で参加させても、扱いに困ります。名前の無いモブキャラでも活躍はできます。ですが「SAOAL」では、それがありません。

 

【オリジナルのボスキャラ】

東西南北に登場するオリジナルのボスキャラ達。過去に亡くなった人物を復活させ、キリト達は戦うことになりますが、残念ながら影が薄く(キャラ同士の関係や因縁も特に無い、リアルワールド組はさらに薄い)、メインは整合騎士のほうにあるようなので、別に居なくても問題ないように感じました。

 

 

バトルシステム

・キリトを含む4人パーティを組み、ソードスキルや神聖術、バトルスキルなどを駆使しキャラクターを適時切り替えて戦うことができるリアルタイムバトル。

・本作から、キャラクターの装備を自由に変更できるようになった。

 

レベル差・命中率

本編クリアまでは特に気にする必要はありませんが、クリア後以降のやり込み要素(作業ゲー)であるレイドダンジョンやその他諸々。敵とのレベル差やキャラクターの命中によって、状況が変わります(理不尽に)。

レベル差があるとステータス差も大きくなり、敵を倒すのが困難になります。そして最悪なのが本作の「命中」というステータス。これが低いと敵に攻撃が当たらないため、敵を倒すことができません。

"敵を倒すことができない"と理解しているにもかかわらず、レイドボス戦は、逃げ出すことができません。レイドボス戦では「敵を倒すか、パーティが全滅するまで」、そのマップから抜け出すことは不可能で全滅した場合、最後にセーブした場所まで戻されます(その間に手に入れたアイテムや経験値も失う)。また、レイドダンジョン攻略も無駄に時間が掛かる(特定の敵を倒したり、ギミックを解いたり)のと、手に入るアイテムも少ないため、割に合わない。

そして、レイドボスを倒したとしても、報酬の武器の種類・ステータスは「ランダム」で変わるので高ステータスな武器が出るまで「周回する」必要があります。

ちなみに、武器は一つしか手に入りません。

 

戦闘システム

最大4パーティのリアルタイムバトル。

登録された「レコード」に従って味方NPCが行動する。行動を指示することを「アーツコード」と言い、攻撃的に・守りを固める・回復やバフデバフを行う、などを覚えさせることで個性的な戦闘スタイルが出来上がる。

・問題点1 アーツコード
このアーツコードを覚えさせるには、プレイヤーがそのキャラを操作する必要がある。レコード画面でもアーツコードを設定はできるが、個人的にうまくいった覚えがありません。また、一部のスキルは何度やっても覚えないスキルもあります。そして、スキルを使用しただけでなく、敵からわざと攻撃を受けてスキルキャンセルされないと覚えないスキルもあります。

・問題点2 タンク
本作のNPCキャラクターはスキルを使う直前に敵または操作キャラクターの近くにワープすることがあります。本作のような3D作品のNPCは、何かしらに引っ掛かり、身動きが取れないようなことが起きると、ゲームに支障が出る場合があります。それを回避するために本作のようにプレイヤーの元にワープする、のですが。

タンクの役割は、他のキャラより防御力があり生存率が高く、敵のヘイトを一身に受けることで隙を作ってもらう、はずが、何故かプレイヤーの元に飛んでくるので結局、ヘイトが分散されない状況になってしまいます。

・問題点3 範囲攻撃
本作の敵は、サイズが大きく、どいつもこいつも「範囲攻撃」をしてきます。そして「ソードアート・オンライン」という作品は基本的に、近接戦闘になります。神聖術(チャージが長い、弱い)や遠距離攻撃()ができるものはあるにはある。が、全員馬鹿正直に突っ込み自滅していきます。

・問題点4 敵のHPの高さ
レベルが高ければ高いほど、敵のHPも無駄に高くなっていきます。当然ながら、倒すのが困難になります。その敵を倒すためには下準備が必要であり、その準備も大変で、効率良く(ロード時間の長さや頻繁にロードを挟みながら)周回できるようにしないといけないため、攻略法もワンパターン化していきます。

・問題点5 素材の要求量
武器や防具を強化するための素材集めもまた大変です。+5以降は変異魔獣を討伐し続ける必要があり、ドロップするのは「強化用素材」のみ、レア武器や防具など一切ありません。この変異魔獣も強敵のため、ある程度育成してないと倒すこともできません。パーティが全滅しても特に何も無く、セーブポイントからやり直しです。

・問題点6 遅延戦闘
「SAOHR」と違い本作の戦闘モーションが遅い。スキル使用時に妙な間が存在し、スキルキャンセルがされやすい状態にあります。またクールタイムも長めに設定されているので、長期戦になるとグダグダに。

・問題点7 武器でモーションが決まる
武器でモーションやバトルスキルが決まるので、どうしても他と被ってしまう。

・問題点8 フィニッシュアーツ
各キャラの必殺技のようなスキル。専用モーションが用意されているが残念ながら弱い。

・問題点9 やり込み要素
最終的に武器の厳選と強化のみ。それすらもやりづらい環境。

 

その他

SAO Shop

見た目が変わる武器スキンや衣装、熟練度などが上げやすくなる消費アイテムなどの課金要素。SAOコインを購入することで確実に手に入る。またゲーム内で手に入るチケットを集めるとCUBE(ガチャ)でアイテムをランダム入手可能。ダブりあり、一部のアイテムは使い物にならない。ネットワークエラーでスキンや衣装が外れる。

 

消えたユージオとアリス

過去作「SAOHR」と「SAOFB」に有料DLCで登場したユージオとアリスでしたが「アリシゼーションリコリス」で、その話に触れることはなく、初めて出会ったような態度。アスナ達が登場した以降も過去作の出来事に一切触れないので、過去作に登場したユージオとアリスの存在は無かったことに。

 

 

 

総評

過去作に比べて、非常に力を入れている作品だと解る(前作とはえらい違い)。しかし、詰め込めるだけ詰めているがやる事なす事、面白さに繋がってないのが致命的。プレイヤーへの見返り、手応えは薄く、序盤からのテンポも悪く。アンダーワールドという世界観の魅力が伝わらず、不快な気分になる展開が多く存在する。

オリジナルキャラを出しても掘り下げもされず、扱いも悪い。何のために登場させたかというと東西南北のマップを活かしたかっただけ、メディナに関してはオルティナノス家を描かず、結ばれないと確定している恋愛要素や死亡した上にあっさりと復活させる。

記憶(思い出)も無くし、失う物が多く、歴代メインヒロインと比べ、かなり扱いが悪い、生存ルート前提で進めるならマルチEDや死亡シーン自体いらない。シンプルに成長したキャラクターを見たかっただけに、非常に残念。原作とは異なる展開を期待していたが、そんな物はない。

今後アップデートで追加予定のオリジナルヒロイン達も「キリトが好き」というだけのおまけ扱いで影が薄くなる一方、無理に恋愛要素を付ける必要があるのか分からない。

折角のキャラゲーもキャラは生かされず、RPGとしての面白さは無い。とにかく時間だけ掛かり、爽快感は薄く、見返りも無い。そんな作品です。